top of page

初めに

このサイトは誰のためのもの?

このサイトは、日本の中学校英語教員のために書かれたものです。文部科学省が発行する「学習指導要領」の中で、教員が扱わなければならない文法をわかりやすく説明しています。具体的には文部科学省認定の教科書(1年生)に掲載されている文法項目を網羅しています。

まず、それぞれの文法項目について詳しい説明を行います。その後、その特徴をどのようにコミュニカティブに教えることができるかについて、さまざまな提案をしていきます。主な目的は2つあります。

 

i. 教員の既存の英文法の知識を補うこと。

ii. 文法知識を実際のコミュニケーションの場で生かして使うための練習方法を示すこと。

 

世の中にはたくさんの優れた教師指導参考書があります。なぜ今、本書のようなものが必要なのかという疑問はもっともです。優れた本の中には、世界中の人々を対象としたものもあり、必然的に次のような質問をカバーするため範囲は広くなります。「文法とは何か」「なぜ文法を教えるのか」「文法教育の歴史とは何か」「文法を教えるための "最良の "実践とは何か」など、多岐にわたります。それに対して本書は、狭い範囲での特定の対象者、つまり、日本の中学校で主に日本人生徒に英語を教えている教員を対象としています。文法指導をいかにコミュニケーションの実践に結びつけるかに焦点を絞った、実践的で使いやすいガイドとなることを目指しています。

 

文部科学省の「学習指導要領」の中で、「コミュニケーション」が何度も強調されていることにお気づきでしょうか。文部科学省の「学習指導要領」で「コミュニケーション」が強調されており、「言語活動」や「学習活動」という言葉を耳にしたことがあるかもしれません。しかし、それが教科書で学ぶべき文法とどのように関連しているのか、わかりにくいのではないでしょうか。本書は、文法とコミュニケーション練習をより密接に結びつけていきます。英語でコミュニケーションが取れるようになるためには、文法が不可欠であるということ。また、英文法をしっかりと理解するためには、コミュニケーション練習が不可欠であることをお伝えすることを目的としています。

 

本書の教材は、「2021年New Horizon英語講座」シリーズのBook1の文法提示順に沿って構成されています。

 

文法項目そのものを特徴ごと、ユニットごとに扱う前に、まず2つの序章で、文法を教える上で必然的に出てくる疑問点を取り上げています。ここで扱う内容は決して網羅的なものではなく、本書が何を目指しているのかを読者に知ってもらうために、執筆者の立場を明確にすることを目的としています。この本の目的の中心にあるのは「文法をコミュニカティブに教える」というコンセプトです。序章で、文法説明(Grammar commentary)やコミュニケーション活動(Communicative task)がなぜこれほどまで重要であるか、詳しく説明します。

bottom of page