学生グループのブレインストーミング

COMMUNICATIVE GRAMMAR INSTRUCTION IN PRACTICE

この章に入る前に、以下の質問を考えてみてください。

i.       あなたの考える「(言語学習)タスク」の定義は何ですか。
ii.      コミュニカティブ・タスクをどう説明しますか。
iii.      いくつかの例を挙げることができますか。
iv.      タスクでの言語使用は、どれくらい実生活の言語使用に即している必要があると考えますか。

タスクと真正性 (Tasks and authenticity)

本サイトの中心となる部分である、文法解説と、文法項目を用いたコミュニカティブ・タスクの紹介に入る前に、コミュニカティブ・タスクとは何か、またタスクの実用性、そしてこのアプローチを行うための教授法について詳しく見ていきます。

 

「タスク」とは何を意味するのか?(What do we mean by ‘task’?)

本サイトで提供されるタスクは、文法練習用のタスク(Nitta and Gardner, 2005)です。「タスク」は、生徒がコミュニケーションの目標を達成するために、お互いにコミュニケーションをとりながら、教科書に出てくる文法を使う機会を与えるものです。

 

一般に言語学習活動というと、生徒が言語を使う練習ができる活動を指します。活動の内容は幅広く、一方では厳密にコントロールされた活動があります。この種類の活動は、学習者の注意を言語形式(文法)に向けており、学習者に他者とのコミュニケーションを要求することを目的としていません。他方では、学習者がある程度自由に自分自身を表現することができる活動があります。特定の言語形式の使用は要求されますが、学習者の関心は意味の伝達にあり、コミュニケーションの必要性を生じさせる活動です。

本サイトの「Communicative Tasks」は、教師が生徒に後者の練習をさせるためのアイデアやヒントを与えることを目的としています。Littlewood (2004)の言葉を借りれば、「コミュニケーション言語練習」(communicative language practice)を提供することを目的としています。ほとんどが「構造化されたコミュニケーション」(structured communication )(p.322)を引き出すためのものです。たまに「オーセンティック・コミュニケーション」(authentic communication)を引き出すようなタスクもあります。これはリトルウッドのスキームでは「意味に焦点を当てた」(focus on meaning)タスクの最たるものです。本サイトのタスクは、Ellis (1993)が述べたような、文法に対する意識を高めるタスク(consciousness-raising tasks)ではありません。

 

「タスク」という言葉に脅かされないでください。ここで使われている定義は、Willis (1996)の定義「タスクとは、学習者がコミュニケーションの目的(ゴール)を達成するために、ターゲット言語を使用する活動のことである」(p.23) に沿ったものです。しかし、生徒がコミュニケーションタスクに取り掛かる前に、コントロールされた非コミュニケーション的な練習が必要であると思われる場合には、それを説明しながら進めていきます。文法項目については、まず代入や形式操作 (substitution and manipulation)の練習をして、生徒がそれほど苦労せずに形を作れるようにしておく必要がある場合があります。言語形式を理解した上で、コミュニケーションのためのタスクを行うことができます。「タスク」という言葉が気に入らない場合は、「アクティビティ」「スピーキング練習」「コミュニケーション練習」などの言葉に置き換えてください。

 

タスクによる言語使用はどこまで実生活に即しているか(How real is task-based language use?)

本サイトで提唱されているタスクは、生徒にコミュニケーションの練習の機会を提供することを目的としていますが、これらのタスクはどれほど実生活に即しているのでしょうか。その中には、実際に使われている言語活動を完全に再現していると言えるものはほとんどありません。教室では、「本物」のコミュニケーションのための条件を整えることはしばしば困難であり、いずれにしても「完全に」本物にすることがどれほど必要か、あるいは望ましいかという疑問もあります。それを実現するためには、コミュニティ・ランゲージ・ラーニング(Community Language Learning)のようなアプローチを導入する必要があるでしょう。そこでは、教師は、生徒が目標(ターゲット)言語で自発的にコミュニケーションをとろうとするのを待ちます。教師としての私たちの役割は、生徒がコミュニケーションの目標を達成するために必要な第二言語に関する情報を提供することです。この方法(アプローチ)が日本の学校で広く採用されるとは思えませんが、生徒が自分自身の事実に基づいて話せるようにタスクを個別化する(personalization)ことで、本物に近い言語使用を達成することは可能です。本サイトでは、可能な限りこのようなタスクを紹介しています。掲載されているほとんどのタスクは、日常生活での言語使用とは似ても似つかぬものです。しかし生徒にとっては、アクティビティのルール内で、意味や目標に向かってのコミュニケーション(goal-oriented communication)が行われているという、ある程度の内的妥当性を持っています。生徒は通常、バーチャルなゲームをすることに慣れていますし、本サイトのタスク活動が架空のものであったとしても、生徒にとってコミュニケーションをとるための妥当性のあるものだと考えられます。

WillisとWillisも以下のように指摘しています。

“artificial tasks may not offer a precise reflection of the real world, but they do oblige learners to engage in real-world meanings and real-world discourse acts” (2007: 142).

「人工的なタスクは現実世界を正確に反映していないかもしれないが、学習者に現実世界の意味と発話行為に関与することを余儀なくさせる」(2007: 142)。

教授法 (METHODOLOGY)

次のセクションに進む前に、以下の質問を考えてみてください。

 

  1. コミュニカティブ・ランゲージ・ティーチングをどのように定義しますか。あなたの考えるCLTとは何ですか。それは、あなたにとって有用な概念ですか。

  2. New Horizon Book 1の59ページ下にある「Practice」を見てください。このアクティビティはコミュニケーションタスクだと思いますか。どのような活動ですか。(他の教科書を使用している場合は、スピーキング練習用のアクティビティを見て、そのスピーキング練習がどの程度、コミュニケーション能力向上に適しているかを考えてみてください)

コミュニカティブタスクの使用を正当化するために、第二言語の習得におけるインタラクション(Interaction)、意味の交渉(Negotiation of meaning)、アウトプット(Output)の重要性について述べていきます。

インタラクション (Interaction)

他人とコミュニケーションを一切せずに第二言語を習得することも可能かもしれませんが、授業で生徒同士を一緒に練習させるのをためらうことは、語学習得の目的に逆行しているように思えます。実際には、生徒同士が行う練習は任意ではなく、語学力向上のためには必要です。練習は、生徒が宣言的な知識を、第二言語での流暢で自動的なパフォーマンスの基礎となる手続き的な知識に変換するために必要であると考えられています。ペアやグループで言語学習のタスクを行うなど、生徒同士が英語でインタラクション(交流)することは、コミュニケーションの練習になります。

 

意味の交渉 (Negotiation of meaning)

生徒同士の対話練習の必要性に関するもう一つの視点は、第二言語学習におけるインタラクションの推進者によるものです。彼らは、学習者が言語を習得するための主要な手段の1つは、意味の交渉であると主張しています。つまり、学習者は他者と一緒に練習しながら、コミュニケーションの障害を修復することで、文法(およびその他の言語機能)を学ぶことができるということです。例えば、次のようなやりとりでBはAの最初の発話を理解していないことを示すことで、Aのメッセージを明確にする手助けをしています。

A: Yesterday I go to my friend’s house.

B: Pardon? You went to your friend’s house?

A: Yes, I went to my friend’s house.

教師が、生徒同士がタスクでコミュニケーションをとる際に生徒自身の言語使用を修正する手助けをするように、生徒同士もお互いに助け合うことができます。生徒はおそらく様々な方法で第二言語を学ぶことになると思いますが、インタラクション論者の主張は、学習者が教室で対話練習(=インタラクション)を行うべきだという考えを強く支持しています。

 

アウトプット(Output)

対話練習を支持するもう一つの論拠は、対話練習は必然的に発話を伴うということであり、このアウトプットが特に重要な役割を果たすと指摘する学者もいます。アウトプットは、コミュニケーションタスクに取り組む生徒間のインタラクションを通して引き出せますが、その他の活動(ライティング等)でも得られます。

コミュニケーションタスクでの話すアウトプットは、意味の交渉というインタラクション論の考えに基づいています。村野井は、アウトプットは学習者が自分のインターランゲージ(interlanguage)のギャップに気づき、既存の知識をテストし、言語使用を意識的に振り返り、言語を構文的に処理したりするのに役立つと強調しています(Muranoi, 2007: 59)これらの効果はすべて第二言語学習に有益であると考えられており、生徒がクラスでターゲット文法を使用して練習することを推奨する根拠はさらに強まっています。

コミュニカティブ・ランゲージ・ティーチング(CLT)

これらの考えを盛り込んだ教授法をCommunicative Language Teaching (CLT)と呼び、コミュニケーションの実践活動を多く取り入れた文法指導のアプローチを提唱します。CLTは実際には非常に広範囲で、strong(強)バージョンとweak(弱)バージョンがあります。また様々なアプローチの包括的な用語でもあります。しかし、これらのアプローチに共通しているのは、学習の目標としてコミュニケーションに焦点を当てていることです。学習者にとっての最終目標は、ターゲット言語でコミュニケーションがとれるようになることです。CLTの強いバージョンでは、人々はコミュニケーションを通してのみ、目標言語を習得することができると主張されていますが、いずれにしても、言語学習者から言語使用者になるためには、コミュニケーションの場で目標言語を使う練習をする必要があります。教室では、目標とする文法を使うように注意深くデザインされたタスクの中で、生徒が自分の知識を試す機会を最大限に増やすことが必要になります。生徒は、他の生徒や教師からのフィードバックを通じて、自分に欠けている知識を発見することができます。通常のレッスンで教師の英語に触れ、英語で教師とやりとりすることでも練習になりますが、タスクは生徒に英語を作り出す責任を負わせ、生徒一人一人のアウトプットとやりとりの練習量を大幅に増やします。

図1.CLTの可視化 (Visualising CLT)

 

上の図1は、いくつかの重要な要素をお互いの関係性の中でどのように視覚化できるかを示しています。図のように、コミュニケーションは学習プロセスの中心にあります。

 

生徒はお互いに、そして教師とコミュニケーションをとることで、自分が出会った文法や語彙を試すことができ、自己修正や他者修正という形でフィードバックを受ける機会が得られます。このフィードバックによって、生徒は自分の文法理解のギャップや穴に気づき、新しい文法がそのギャップや穴を埋めるのに役立つことを認識します。しかし、そもそも生徒同士がコミュニケーションをとるためには、レッスンで出会った新しい言葉を使う必要があり、生徒にコミュニケーションの必要性を感じさせるタスクが与えられる必要があります。タスクを行う中で、生徒は文法の仕組みに気づき、意味をより深く学び、特定の目的達成のために文法がどのように使われるのかを発見することができます。

 

CLTに関する誤解 (Misconceptions about CLT)

ここで考えられているCLTは、文法を無視するものではありません。CLTは文法を無視した、学習者中心のアプローチを推奨していると考えられ、危険な方法だと思われているところがあるようですが、これは誤解です。CLTは決して文法を排除するものではありません。確かに、最初から機能や概念に重点が置かれてはいますが、生徒の成長を助けるために文法を教えるべきではないと推奨しているわけではありません。CLTから発展したTask-based Language TeachingやFocus on Formなどのアプローチは、CLTへの反発から生まれたものですが、form(文法)とuse(コミュニケーション)をいかに統合して教えるかという基本的な考え方は一致しています。それを実現するためには、生徒に言語学習タスクに取り組ませることが重要です。生徒たちは、タスクに取り組むことで文法形式を使ってコミュニケーションを図ろうとします。そして、コミュニケーションがうまくいかないときに、文法形式や使い方を見直し、お互いに学び合うことができます。

 

CLTのスピリット(The spirit of CLT)

 

本サイトで提唱しているのは、CLTの精神に基づいて教えるということです(Hiep, 2007)。自分の教え方をやめ、CLTを導入することを強制しているのではありません。提案したいのは、コミュニケーション能力を高めつつ文法を学ぶための効果的な方法を考えることです。その観点で、教科書の資料を評価することが必要です。全く新しいアプローチに切り替えることを期待していません。むしろ、日々の授業の中で、もっとコミュニケーション練習を取り入れる方法を試すことを推奨しています。

 

CLTはもはや一つのものではありません。今では、生徒のコミュニケーション能力を向上させることを目的とした学習方法を表す、一般化された "包括的 "用語として機能しています(Harmer, 2007)疑いなしに採用しなければならないものではありません。現在使用している生徒の学習に役立つと感じているテクニックを諦めることなく、コミュニケーション活動を通常の授業に取り入れることができます。Littlewood (2004)は、CLTとその実施にまつわる多くの論争を回避する手段として、CLTに代わるものとしてCOLT(Communication-oriented language teaching)という言葉を提案しています。彼の主張は、最良の方法は存在せず、CLTを万能薬として扱うべきではないということです。最近の派生型であるタスクベースの言語教育(TBLT)も同様です。本サイトで提唱されているのは、「task-supported teaching」(Bygate, 2016; Tavakoli and Jones, 2018)と呼ばれるもので、意味に焦点を当てた練習を増やす方法として、教師がすでに使っている方法をタスクで補うものです。

 

文法を学ぶとはどういうことなのでしょうか。(What does it mean to learn grammar?)

 

本サイトでは、生徒が文法項目をどのように学ぶことができるかに焦点を当てています。生徒が文法項目を徹底的に学ぶためには、コミュニカティブな練習が重要な手段であると主張します。文法項目の習得は、例えば、教師の簡単な説明ですぐに終わる場合もあれば、非常に長い時間をかけて習得する場合もあり、また、部分的にしか習得しない場合も多いでしょう。文法の中には、非常に早く習得できるものもあれば、生徒の中間言語(interlanguage)に定着するまでに長い時間がかかるものもあり、また、不安定な状態が続き、完全に定着しないものもあります。そのため、生徒は言語を使って練習することで、自分の(おそらく不完全な)知識を試す機会を得て、その文法項目がどのように機能するかをより深く把握し、未熟な知識の穴やギャップに気づくことができます。

 

文法指導では、単発的な説明だけではなく、用法と併せて繰り返し理解させることが必要です。また、教師による管理された練習だけではなく、生徒同士のコミュニケーションを伴う練習を繰り返し行うことが重要です。生徒が自ら文法を理解しようとする機会を設けることが鍵となります。

 

文法学習に焦点を当てた文法指導 (Focusing grammar teaching on grammar learning)

 

文法知識を生徒に説明した時点で、教師の仕事は終わりでしょうか。生徒が聡明でやる気があれば、文法知識を理解するでしょうし、そうでなければ理解できないと考えるかもしれません。しかし、生徒が学んだ知識を使って何をするのかを指導することも、教師の重要な仕事です。教師は、知識の伝達に関わるだけでなく、伝達された知識を生徒がどのように(再)構築するかにも深く関わるのです。生徒はその知識をどうやって自分のものにしていくのでしょうか。生徒が新しい文法に出会った時に頭の中で行われるプロセスが、実際には文法知識を学ぶのと同程度、あるいはそれ以上に重要であることがわかれば、文法指導(広く言えば言語学習指導)に関する私たちの考えは大きく変わるかもしれません。

教案の例 (An example lesson plan)

基本的なレッスンプラン(教案)は、Tanaka & Tanaka (2014: 75)が提示しています。

本サイトでは「練習」と「活動」を次のように定義します。

「練習」=「管理された練習」(controlled practice)

「活動」=「自由度の高いコミュニケーションのための練習」(freer communicative practice)

 

「練習」には、目標とする文法形式を操作するためのドリルや教科書にある練習や課題が含まれます。「活動」では、パーソナライズド・タスク(自己表現活動)やインフォメーション・ギャップ(information gap)を含むコミュニケーション・タスクの使用を重視しています。スキットやプロジェクトは重視していません。

 

この教案の手順は、Presentation-Practice-Productionモデルに非常に近いものです。このモデルは高く評価されてはいませんが、ここで大切なのは、生徒が意味に焦点を当てた練習が多くできるかどうかということです。モデルの呼び方は重要ではありません。

 

すでにこのモデルを意識していても、導入を忘れてしまったり、限定的な練習しかしていないことがあるかもしれません。また、生徒が必要とするインタラクションやプロダクションの練習ができるような「活動」にまで展開できていないかもしれません。

 

そこで、このモデルを念頭に置きつつ、「活動」の役割を強調して、すべてのレッスンで「活動」が重要な役割を果たすようにすることが大切です。そこで、上の図を少し修正して次のようにしました。

もちろん、1つの授業に1パターンしか使わないということではありません。これでは誰もが飽きてしまいますし、生徒には様々なメニューを提供する必要があります。大切なのは、様々な言語学習活動の中に毎回必ず自由度の高いコミュニケーションのための練習を入れることです。

生徒がタスクに取り組む前、最中、後にすべきこと(What you need to do before, while and after the students are engaged in tasks)

 

教師は、生徒にコミュニケーションタスクを与えるだけで何もしないということではありません。教師には、生徒がタスクに取り組む前、最中、後にするべき役割が多くあります。

 

タスク開始前(Before)

 

生徒がタスクを開始する前に、当然ながらそのタスクをどのように行うべきかを説明する必要があります。それも単に指示のリストを読み上げるのではなく、具体的にやり方を示すことが効果的です。例えば教師と生徒1人、または1組がデモストレーションを行うなどすることにより、生徒が従うべきステップを明確にすることができます。

 

タスク実施中 (During)

生徒が課題に取り組んでいる間、教師は彼らが何をしているかを観察(モニター)する必要があります。つまり、机間巡視しながら会話に耳を傾けるのです。もちろん、生徒がタスクに取り組んでいるかどうかを確認する意味もあります。それよりも教師にとって重要な仕事は、生徒の発話を聴くことです。彼らがターゲット文法を正しく使っているか、他にどんな問題があるのかをチェックします。もし問題があれば、生徒にフィードバックを与えて、何が問題なのかを自分で気づかせることができます。また、よくある問題点をメモしておけば、生徒がタスクを終えた後にクラス全体に提示し対応することもできます。

 

タスク終了後 (After)

タスク終了後、クラスの何人かに英語でレポートバック(振り返りの報告)をさせ、生徒が何をしていたのか、お互いに何を発見したのかを確認するとよいでしょう。報告の際には、例えば二人称の形(You have)を三人称の形(She has)にするなど、タスク中に使っていた文法とは違う文法を使う必要があるかもしれません。また、タスク観察中に気づいた共通のミスを拾えるように、タスク中のやり取りを1組か2組に発表させることもできます。発表中に教師が巧みに介入することで、全員が犯していたミスに注意を向けることができます。もちろん、生徒に恥をかかせたり、ミスを叱ったりしてはいけません。そのミスがタスク中に多くの生徒が犯していたものであり、誰でも簡単にしてしまいがちなミスであることを認識させることが不可欠です。

次のセクションに入る前に、以下の質問を考えてみてください。

New Horizon Book 1の12ページにある「Enjoy Communication」というアクティビティを見てください。

このアクティビティを使った授業を計画してください。

- このアクティビティは、あなたの授業のどこに入りますか?

- このアクティビティの前、中、後に何をしますか?

- このアクティビティをより効果的にするために、何か工夫することはありますか?

コミュニカティブタスクの評価方法 (How to evaluate communicative tasks)

生徒がコミュニカティブ・タスクに取り組むとき、教師はどのように生徒を評価すればよいのか、疑問に思うかもしれません。生徒がタスクをうまくこなせたかどうかをどのように判断しますか。どのような評価方法や基準を適用すればよいのでしょうか。

 

評価において留意すべき点は、生徒の言語的知識を評価するのではなく、課題を達成するために言語を使用する際のパフォーマンスやスキルを評価するということです。評価するのは、生徒のスピーキング能力や、第二言語を使ってコミュニケーションをとるための一般的な能力です。ですから、生徒が課題をこなしている様子をモニターしながら、生徒の行動を評価する必要があります。ペアで話しているのを注意深く聞いて、彼らがタスクの目標を達成できているかどうかを確認する必要があります。正しい文法を使っていない可能性もありますが、適切な介入をすることで、目標を達成するために、より正確に言語を使えるようにすることができます。重要なのは、正確さにばかり気を取られるのではなく、生徒同士がどれだけ効果的にコミュニケーションをとっているかを認識することです。タスクをモニターしているときに見つけた誤用は、生徒がターゲット文法をどれだけ理解しているかを評価するのに役立ちますし、タスクの後にフォローアップすることもできます。

 

生徒がタスクを終えたら、何組かのペアにタスクを実行してもらいます。これは、そのペアがタスク中にどれだけうまく取り組んでいたかを確認する機会となります。タスクの対話の一部がうまくいかない場合は、タスク中に十分な努力をしていなかった可能性があります。しかし、もし生徒が努力した上で、ターゲット文法が難しかったのであれば、難しいタスクに取り組んだ彼らの努力を賞賛し、ベストを尽くしたと結論づけることができます。

 

ほぼすべての授業でコミュニカティブタスクを使用しているのであれば、学期中にこのような非公式で全体的な方法で個人を評価する機会がたくさんあるでしょう。生徒を評価するためのより客観的な手段を望むのであれば、タスクベースの言語パフォーマンス評価(language performance assessment)、またはより単純にタスクベースの評価(task-based assessment)のような方法を利用できます。しかし、これははるかに複雑です。まず評価の具体的な内容を決める必要があります。言語形式を評価するのか、それともタスク目標の達成度を評価するのか、あるいは両方を評価するのか基準を設けることが必要です。また、どのような評価基準を使用するか考えなければなりません。さらに現実性も考慮しなければいけません。クラスのすべての生徒に対して、このような詳細な評価を行う時間と労力をかける必要が本当にあるか疑問が残ります。

つまり、タスクパフォーマンスは、非公式で全体的な方法で評価するだけで十分なのです。

結局、クラス活動の評価のほとんどは、一般的な印象であり、記録されず、中間テストや期末テストによる正式な評価には影響しません。もちろん、タスクパフォーマンスの評価を正式なテストプログラムの一部として含める場合には、正式な評価基準を作成する必要があります。しかし、コミュニケーションタスクの位置づけが定期的な教室活動である場合は、毎回正式な評価を行う必要はないと言えるでしょう。また、コミュニケーションタスクが、生徒がターゲット文法をコミュニケーションのなかでトライアンドエラーしながら学ぶ場であることを鑑みても、このような活動までも正式に評価するということは、相応しくないと考えます。

Resourcesをご覧になる前に、以下の質問を考えてみてください。

- New Horizon Book 1の30ページの「Enjoy Communication」というアクティビティを生徒が行った場合、あなたはどのように評価しますか?

- 評価する必要がありますか。

- 評価するとしたら、どのような基準で評価しますか。

- 全員を評価するのですか。

- 評価から得られた情報は何に使うことができますか。

-生徒を評価しているようで、実は教材そのものや、教材が引き出すアウトプットを評価することになってはいませんか。