Supplementary Materials for New Horizon Book 1
UNIT 2
PART 1
GRAMMAR COMMENTARY
KEY SENTENCE:
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This is Kaito.
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He is in Class 1B.
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He is not in Class 1A.
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This is Ms. Cook.
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She is our teacher.
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She is not from Australia.
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Is that a fish market?
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Yes, it is. / No, it is not.
GRAMMAR COMMENTARY
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主語として使われる指示代名詞「this/that」
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三人称単数形の現在形「is/is not」(および短縮形の「that's」)
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三人称単数の代名詞「he」、「she」
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一人称の単数/複数の所有代名詞「my」、「our」
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補語としての前置詞句、例:「He is in Class 1A」
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補語としての名詞句、例:「This is Ms. Cook」
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三人称のbe動詞を含む疑問文、例:「Is that...?」
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定冠詞、例:「the restaurant」
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形容詞「popular」, 「crowded」
‘THIS IS…’
教科書から「This is my pen」という文が削除されました。 文法的には、もちろん100%正しい文です。これは、be動詞を使った現在形の単純な「主語-動詞-目的語」(SVO)の文で、補語として名詞句(「my pen」)を伴う完璧な例です。ほとんどの生徒が簡単に理解できる文構造です。難しいのは、コミュニケーションの観点から考えたときです。この文はどのような場面で誰に対してどのような目的で発せられるでしょうか。
その観点から考えても「This is...」という構文が、人や物を誰かに紹介するときに使われる方がより一般的ですし、そのような用法が教科書にも掲載されています。例えば、誰かを紹介するときには「This is Kaito / my sister / my friend / my husband... 」と言うでしょうし、物や所有物を紹介するときには、「This is my room / my home / my favorite book... 」と言います。20ページの戸田先生がクック先生を海斗に紹介している絵は、「This is...」の典型的な用い方を表しています。さらに「This is a picture of Mr. Toda」のように、話し手と聞き手の目の前にある身近なものについて話す場合にもよく使われます。
“IS THIS…? / IS THAT…?’
21ページの学校の最上階の窓から外を見ているクック先生と海斗の写真を見れば、なぜ「Is that a fish market?」という質問が使われているか明らかです。クック先生は緑中学校(Midori JHS)に来たばかりで、最近来日したかもしれません。ビルの屋上にある巨大な魚の看板を見て、彼女は魚市場ではないかと推測します。そこで上のような質問をしました。それに対して海斗は「No, it’s not. It’s a sushi restaurant」と伝えます。KEY SENTENCEにあるように、何の脈絡もなくいきなり「Is that a fish market?」と聞くことは考えられません。それを補うために、教科書には、この質問が使われる可能性のある状況(写真)が掲載されているのです。
‘HE IS… / HE’S… / SHE IS… / SHE’S…’
前述のように、「This is ...」は誰かを紹介するときによく使われますが、「He/She is...」を加えることで、紹介者はその人についての情報を追加することができます。例えば、その人との関係や、地位・役割・仕事などを説明することができます(例:「(This is Ms. Cook). + She's our new English teacher.」、「(This is Asada Shota).+ He’s my classmate.」など)
‘IN CLASS 1B’
簡単そうに見えますが、「He is in Class 1B」は翻訳するのが難しい文です。おそらく、一番良い訳は 「彼は1年B組です」です。日本語では、前置詞は使われません。英語では、前置詞を使わないわけにはいきません。「He is Class 1B」とは言えません。これでは、「彼は1年B組で一番重要な存在であり、1年B組の代表であり、他の生徒はどうでもいい」という意味になってしまいます。もちろん「彼は1年B組に所属しています」や「彼は1年B組のメンバーです」と言えば、より明確に表現することもできますが、通常の会話では、おおげさな印象を与えてしまいます。実は、このような文の持つ微妙な違いを補足的に生徒に伝えることはとても価値があることなのです。
‘A’
「This is NAME」と「This/He/She is a NOUN PHRASE」の違いを説明し、練習するためにコミュニケーションタスクを行うとよいでしょう。20ページの「Enjoy Communication」タスクがこれにあたります。
‘A’ / ‘THE’
「a」と「the」はこれまでも教科書に登場していましたが、21ページのダイアログで初めてこれらの冠詞が対照的に使われています。
Kaito: It’s a sushi restaurant.
Ms. Cook: […] Is the restaurant popular?
ここで「the」は、クック先生がどのレストランのことを指しているのか、海斗が知っていることを前提として使われています。彼女は、海斗が話しているそのレストランのことを指しています。これを暗喩的参照(anaphoric reference)と呼ぶことがあります。また「new information」と「old information」という言葉で説明されることもあります。この文脈では「the」は、クック先生が「レストラン」を共有された情報(shared information)とみなしていることを意味します。このように、文脈から特定のものを指し示す場合には「the」を使います。このような使い方は、言語的文脈だけでなく物理的文脈を共有するような会話では特によく見られます。
知っておくと役に立つ「the」の使い方
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クック先生は「Is the sushi restaurant popular?」とは言いません。彼女は、ここで形容詞のように使われている名詞「sushi」を省略しています。これは冗長であるだけでなく、このように話す際には、全く同じ名詞句を繰り返さない傾向があるからです。
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代名詞はしばしば定型名詞句の代わりに使用され、同じ談話的目的を達成します。例えばa)の文は、「Is it popular?」とも言えます。教科書では、定冠詞の機能を紹介する際に、「I have bought a book. The book cost £2.50.」のような例文をよく使います。しかし、実際の会話では「It cost £2.50.」と言うのが普通なので、「The book・・・」はコミュニケーション的観点からすると、相応しくないと言えます。[Berry]
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定冠詞を使う前に、対象物が言及されないことがよくあります。話している状況が、理解するのに必要なすべての文脈を提供してくれるからです。例えば、教室では、生徒に「Could you pass me the dictionary, please?」と尋ねることがありますが、これは、教室に辞書が1つしかなく、(または、目の前に1つしかなく)生徒が、教師が指している辞書をわかっている場合です。このとき、「the」で参照する前に、「I am looking for a dictionary」のように、考えている対象物について何らかの言及をする必要はありません。これは「固有の参照」(unique reference)と言われるものです。物理的な文脈がそれを固有のものにしているという意味でのみ、固有のものなのです。
体の一部や親戚、個人の所有物を指す場合、通常は所有代名詞が「the」の代わりになります。[Berry]
例:〇「I've hurt my arm」✖「I've hurt the arm」
〇「This is my sister」✖「This is the sister」
〇「He's lost his wallet」✖「He's lost the wallet」
なぜ冠詞が必要なのか?(Why are articles needed?)
なぜ英語には冠詞が必要なのでしょうか。冠詞は、英文法の最も厄介な特徴の一つです。日本語では、冠詞なしで意思疎通できます。そのため、日本人の英語学習者の多くは、英語の冠詞の主な用法を理解するまで、何年も悩み続けているのではないでしょうか。興味深いことに、多くの言語には冠詞がありませんし、逆に、英語よりも複雑な冠詞システムを持つ言語もあります。もし、教師自身、あるいは生徒が冠詞の間違いを何百回も指摘されて落ち込んでいるとするなら、日本語で助詞の「は」や「が」をマスターしなければならない日本語学習者のことを考えてみてください。日本語学習者が、これらの助詞でほとんどミスをしないような、簡単なルールを見つけるのは至難の業です。それと同じように英語の冠詞を説明するは難解なことなのです。
ADJECTIVES
「Green」と「good」はUnit 1で登場しましたが、ここではさらに「popular」と「crowded」という2つの形容詞が出てきます。形容詞についてはUnit 2 Part 2で詳しく説明します。
COMMUNICATIVE TASKS
Enjoy Communication Task (page 20)
これは、「紹介する」練習に良いタスクです。名詞の前には不定冠詞が必要であること、名前の前では冠詞を省略する必要があることを生徒に気付かせるといいでしょう。必ずしも事前に生徒に伝える必要はありませんが、生徒がこのタスクを行っている間、「a」を省略していないかどうかを注意深く聞いておく必要があります。「He is soccer fan 」などと言っていたら、イントネーションを上げて最初の2語を繰り返し(「He is... ?」)生徒が自分で訂正できるか、また、他の生徒に助けるよう促します。生徒が練習に夢中になっている間に、このフィードバックを行うことができれば、生徒は文法を学ぶと同時に、コミュニケーションの練習にもなります。
EXTRA TASK
Introducing someone
「Enjoy Communication」のバリエーションです。生徒が誰かにインタビューをして、その人をクラスメイトやクラス全体に紹介します。
Instructions:
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6人のグループの各生徒に1枚ずつカードを渡します。
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カードには、名前、地位・役割・仕事、場所・出身地が書かれています。
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グループ内でペアになり、お互いの声が聞こえない程度の距離に離れます。
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1人の生徒が紹介者となります。ペアの生徒は、カードに書かれている役割のふりをします。
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紹介者は、相手が誰であるかを知るために、インタビューします。
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グループに戻り、紹介者は一人ずつ全員にパートナーを紹介します。
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紹介された人は、「Nice to meet you」と言います。
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その後、再び同じペアになり、役割を交代して同様に進めます。
EXTRA TASK
Is that a X?
このタスクでは、「a/an」と「the」の使い方を対比させる練習をします。次ページのカードを使って、生徒たちはペアで21ページのような会話をすることができます。基本的な会話例は以下の通りです。
A: Is that a [カードの左側の場所]?
B: No, it’s not. It’s a [カードの右側の場所].
A: Wow. I love/like _____ / It’s big/small/new/old/. Is the ______ popular/new/old/
open/ closed?
B: Yes, it is. No, it isn’t. It’s always ________.
Instructions:
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次ページの二つの場所が描かれたカードを6枚×ペア数分用意します。(左側の場所は、間違った場所で、右側が正しい場所です)
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生徒をペアにし、カードを6枚ずつ渡します。カードは伏せておきます。
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スクリーンまたは黒板に会話の会話例を表示します。
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生徒Aは1枚のカードを表にし、会話例に沿って生徒Bと会話をします。
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生徒は、より自然な会話にするために、どの形容詞を使うかを注意深く考える必要があります。
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練習後、何組かのペアに会話をさせ、自然な会話になっているかどうかをチェックします。
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会話例を表示するのをやめ何度か練習させてから、何組かのペアにヒントなしで会話をしてもらうこともできます。
EXTRA TASK
This is my family
家族の写真を見せ合ったり、紹介し合ったりします。また、絵を描いてもらうこともできます。
EXTRA TASK
This is my house
自分の家の平面図を描き、それぞれの部屋を説明します。
EXTRA TASK
Is this your… ?
複数の生徒が教師に1つずつ物を渡します。教師は生徒たちに目を閉じるように言い、それぞれの物を別の生徒の机の上に置きます。生徒たちは目を開け、自分の机の上に物が置いてあるか確認します。物があった生徒は「Hey, Saki. Is this your …?」などと言います。「This is not my eraser. Saki, is this your eraser?」などとも言えるでしょう (「your」という言葉は4ページに出てきているので、復習にもなります)