Supplementary Materials for New Horizon Book 1
UNIT 7
STORY 2
GRAMMAR COMMENTARY
KEY SENTENCE:
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Which does she speak, English or Japanese?
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She speaks English.
GRAMMAR COMMENTARY
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「Which...?」を使った代替質問、例:「Which does she speak, English or Japanese?」
‘WHICH’
「Which」の質問は、2つ(またはそれ以上)の疑問文を1つの文にまとめるので、「Which」の使い方は他の疑問詞よりも複雑です。「Does she speak English? 」「Or does she speak Japanese?」と言うところを「which」を使って「Which does she speak, English or Japanese?」とすることができます。答えは質問で提示された選択肢の中から選ばなければなりませんが、疑問文の形成は他のオープンな疑問文と似ています。疑問詞「which」をYes/No疑問文の前におき(例:「Which」+「Does she speak English or Japanese?」)目的語(例:「English or Japanese」)を取り除いて「Which does she speak?」とします。しかし、「which」は選択肢があることを意味しているので、文末に「English or Japanese」を加えることで、選択肢が何であるかを述べることができます。選択肢が前の談話で言及されている場合には、選択肢を省略することができます。実際には、選択肢が何かわからなかったり、数が多すぎて言及できなかったりすることもよくあります。(これは以下の「Love or Hate?」アクティビティの場合です)
代替質問の問題点のひとつは、「or」という言葉が通常の会話では強調されないことが多く、見落としがちだということです。代替質問に「Yes」または「No」で答えてしまうと、返事としてはつじつまの合わないものになります。二つ目は「Which」の直後に包括的なトピック(例:language)を述べるかどうかです。「Which language do you speak, English or Japanese?」と言うことも可能です。状況によって言う場合と言わない場合があります。例えば、もし2台のバスの前に立っていて、それらを指差している場合は「Which goes to the city centre?」と言えますが、バスが見えない場合や、より明確にしたい場合は、「Which bus goes to the city centre?」と言う方が自然です。いずれの場合も、バスの本数や番号がわからない場合は、代替案を挙げることはできません。三つ目の問題は、代替案を入れると、少し威圧的で指示的に聞こえてしまうことがあるということです。例えば選択肢が沢山あるにも拘らず、そのうちのいくつかを代替案として提示するという場合です。その場合、その代替案が強調されることになり、選択の余地が狭められるように感じられることがあります。
代替質問も定型表現(チャンク)として扱うのがベストでしょう。Which do you like?" や "Which do you want?" などを機械的に暗記して、これらの質問が自動的に作成できるようにするという方法もありますが、より効果的なのは、2つ(またはそれ以上)の写真を並べて選択を求める状況を提示し、この表現を暗記させるというアプローチです。また「Which do you like, X or Y?」や「Which do you like?」と常に尋ねるのではなく、たまに「Do you like X?」のような答え方が異なる質問を入れると、生徒を活動に集中させることができます。なお「I like both」「I don’t like either」という答え方もできます。
COMMUNICATIVE TASKS
‘Practice’ on page 70
Practiceの最初は、代入練習です。生徒は海斗になって様々な人に言葉や文化、食べ物について尋ねます。写真①の会話例です。
A: Which do you speak at home, Filipino or English?
B: I speak Filipino.
このような機械的な練習では、文の意味を考えなくても文を作ることができます。それは、下線部に入れる語句がすでに用意されているからです。生徒AとBは、全く同じ情報を見ています。そのため、情報のギャップもなく、二人のやり取りは意味のあるコミュニケーションとは言えません。機械的な代用ドリルとしては問題ありませんが、生徒に多くのコミュニケーション練習を提供するという目標を満たすものではありません。もしこの教材をそのまま使用するのであれば、これが機械的な代入練習であることを伝え、短時間で使用するのがベストです。
70ページの下にある指示は、それぞれ2つの教科、季節、食べ物などについてお互いに質問し、相手がどちらを好むか、またその理由を聞き合うというものです。その後、その質問と答えをノートに書く活動です。
これはコミュニケーションの練習としては効果的なアクティビティです。自らの好みについて答えることは実際のコミュニケーションに近く、ここで与えられているトピックも適切です。また選択した理由を説明し合うことも意味のある活動です。もし、最初に「Which do you like, A or B?」という文を用いて質問を書かせてしまうと、その後のスピーキング練習が前半の代用練習とほとんど変わらない音読練習になってしまう危険性があります。自分の好みの理由を言うためには「because」という言葉を教える必要があります。
‘Speak & Write’ on page 71
このアクティビティでは、生徒Aは生徒Bがどのキャラクターになっているかを知らないため情報のギャップがあります。そのため、生徒Aは純粋にBの身元を推測するために質問をします。パート1では「Which do you want…?.」と聞く練習をするだけで、「Which does she/he want…?」と聞く練習はありません。
パート2では、パート1のやり取りを三人称を使って書きます。ここでは、「does」を使って質問を作る練習をします。これで十分な練習だと思われるかもしれませんが、パート2で生徒同士が会話できるようにするならこの教材を少しアレンジする必要があります。次ページの生徒AとBのワークシートは、教科書の教材を作り替えたものです。
Instructions:
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学生をペアにし、次ページのタスクシートを配ります。
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生徒Aは、Ami、Aya、Minaが、生徒Bは、Reina、Mayumi、Keikoがどの人物なのか質問をしながら探します。
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質問例は以下の通りです。
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Which (food) does X want, spaghetti or pizza?
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Which (dessert) does X want, ice cream or chocolate cake?
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Which (drink) does X want, orange juice or coffee?
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質問の答えを頼りに表を埋めていきます。
Teaching suggestion:
質問例を黒板に書くよりも、タスクを始める前に生徒から引き出し、一緒に何度か練習すると良いでしょう。また、クラス全員の前でやりとりのデモンストレーションをするのもよいでしょう。
EXTRA TASK
Love or Hate?
「Which X do you like A or B?」という質問には明確な選択肢が付いています。ただ、包括的なトピックを提示する場合、必ずしも選択肢を言う必要はありませんし、選択肢を言うこと自体が望ましくない場合も多いです(選択肢が無数にある場合など)このタスクでは、生徒たちは短縮形の質問(「Which X do you like?」)を使って、お互いの好き嫌いについて尋ねることができます。
Instructions:
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次ページの表を各生徒に渡します。
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以下の表現を事前に教えておきます。
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‘love’,
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‘quite like’,
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‘don’t like very much’,
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‘hate’ and
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‘really’ (as in ‘really love/really hate’)
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生徒は、自分の好きなものや嫌いなものの名前と、好き/嫌いの度合いを、目盛りの数字に丸をつけて表に記入する。
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生徒をペアにします。
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生徒AはBに次のような質問をします。
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‘Which TV program do you like?’ or
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‘Do you have a favourite TV program?’(生徒のレベルに合わせて使用)
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生徒Bは、次のように答えます。
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‘I love X’ or
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‘I don’t have a favourite X’ など
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生徒 A は名前をメモし、必要に応じて次のように尋ねます。
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‘How much do you like him/her/ it/them?’
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生徒Bは次のように答えます。
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I like it very much.
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それに応じて生徒Aは、自分も同じように自分の好き嫌いをBに伝えます。
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‘I like him/her/it/them too’ or
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‘I don’t like him/her/it/them (either)’.
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活動をより面白くするために、生徒に「Why」と「because」を教えて、相手の意見を求めたり、理由を述べたりできるようにするとよいでしょう。
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‘Why do you like him/her/it/them?’ and
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‘Because he/she/they is/are cool’ etc.
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[Acknowledgement: based on an idea on ‘Teach-this.com’]
Note:
タスク中に教師は生徒の会話を注意深く聞くことが重要です。例えば、果物の名前の複数形のsを忘れてミスをしたり(例:* 'I like banana'など)、主語と動詞の不一致('is/are')があったり、「Which a TV program do you like?」と言ったり、どの代名詞をどのような形で使えばいいのか混乱したりするかもしれません。聞き役になって、時々手助けをして、よくある間違いをメモしておけば、タスクが終わった後に生徒の話した内容及び使った文法について色々な話ができます。