Supplementary Materials for New Horizon Book 1
UNIT 7
STORY 3
GRAMMAR COMMENTARY
KEY SENTENCE:
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Whose ticket is this?
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It is mine.
GRAMMAR COMMENTARY
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「Whose…?」を使った質問、例:「Whose ticket is this?」
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独立所有格人称代名詞(independent possessive personal pronouns)「mine」や「yours」
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名前に伴うアポストロフィs
‘WHOSE’
疑問詞「Whose」を使った質問は、他のwh-questionと全く同じように、Yes/No疑問文の前に質問詞を置き、主語の補語(例えば「ticket」)を取り除いて「Whose is this?」と形成されます。 しかし、教科書では、目的語が特定された質問の形「Whose ticket is this?」が例文となっています。同じ質問を'Whose is this ticket?'という形にすることも可能ですが、頻出度は低いです。似たような質問として「Is this yours?」や「Is this your ticket?」と言うことも可能です。この疑問文の作り方を教えるときは、混乱をさせないように慎重に説明する必要があるでしょう。
「Whose」を説明する最も簡単な方法は、所有格人称代名詞の置き換えとして使うということです。「Whose」はYes/No疑問文にある所有格人称代名詞(例:「my」「your」「his」「her」「our」「their」)の代わりに用いられます(例:「Is this your ticket?」→「Is this whose ticket?」) そして、名詞とそれに係るwhoseを文の前に移動します。これに相当する疑問文が日本語でどのように形成されるかを示すといいでしょう。日本語では、単に代名詞(「あなた(の)」)を疑問詞「だれ」に置き換えて疑問文を作ります(例:「あなたのチケットです」→「誰のチケットですか。」)英語のように、名詞とそれに係る疑問詞を文の前に移動させる必要はありません。
以下にこの疑問詞の典型的な使い方を紹介します。日常生活においてもよく聞かれ、役に立つコロケーション(慣習的に用いられる連語)です。
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Whose birthday is it today?
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Whose turn/go is it?(誰の番ですか?)
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Whose fault is it?(誰のせい?)
‘MINE’
「Whose ticket is this?」という質問には「It is my ticket」と答えることもできますが、独立所有格人称代名詞「mine」を使い「It is mine」とすることでより効率的に答えることができます。「mine」を使用する理由のひとつは、繰り返しを避けるためです。「Whose ticket is this?」に対して、「ticket」を繰り返し「It is my ticket」と答えると、かなり機械的で不自然に聞こえます。これは、スタイルの問題でもあります。また、「my ticket」の代わりに「mine」を使うことで、所有権が強調できる場合もあります。しかし「It's MY ticket」のように「my」を強調することでも同じ効果が得られます。したがって、独立所有格人称代名詞は、一般的に言葉の繰り返しを避け、簡略にするために使用されるという説明の方が説得力があります。
‘S
代名詞ではなく名前を使い所有権を示すには、名前の後にアポストロフィーsを使用する必要があります。「It's his book」とも言えますし、「It's Kaito's book」とも言えます。代名詞と同様に、名詞を省略して「It's Kaito's」とすることも可能です。また、アポストロフィーsは人や動物の所有を表すのに使われる傾向があります。ちなみに「of」は物や考えの所有を表すのに使われます。(例:「the water's temperature」ではなく「the temperature of the water」の言い方の方が一般的です)。ここでは所有権を表す「名前+‘s」の使い方に焦点を当てています。Q:「Whose is this/that?」A:「It's Kaito’s」、「It’s Kana’s」など、質問と答えをチャンクとして口について出るようになるまで練習するといいでしょう。
COMMUNICATIVE TASKS
‘Practice’ on page 72
このアクティビティは、置換ドリルです。アポストロフィー「s」を使うのか、独立所有格人称代名詞を使うのかを考えなければならないので、少し難易度の高いドリルになっています。答えを書かずに口頭で行えば、生徒に考えさせる練習になります。もし、生徒に答えを書かせ、その答えを読み上げるようにした場合、このドリルの難易度はかなり低くなり、おそらく効果も低くなるでしょう。
2番目の指示は、少し離れた場所にあるラケットの持ち主は誰か質問し、それをノートに書くというものです。「Whose racket is that?」という質問文を作らせることを意図しています。繰り返しになりますが、これは単なる置換練習なので、それほど難しいことではありません。難易度を上げるには、できるだけ短時間で口頭で質問させるといいでしょう。その後、下記の「Extra Task」に移り、さらに多くのスピーキング練習の機会を与えることにより、コミュニケーションを高めることができます。
‘Unit Activity’ on page 73
スピーキング練習に良いアイデアです。ステップ1は置換練習に近いですが、インフォメーションギャップの要素があり、教科書の登場人物がどの物を所有しているかを確認しなければなりません。ステップ2では、ステップ3で行う「スリーヒントクイズ」に備えて、教科書の登場人物について情報を集めます。情報を読み取ったり、目を通したりする必要があるため、かなり効果的なリーディング活動と言えるでしょう。ただ、ステップ3で行うスピーキングの練習にできるだけ多くの時間を割くよう時間配分をすることが重要です。スリーヒントクイズは、指示通りにペアですることもできますが、クラス全体のゲーム形式にすることもできます。クラスを2つのチームに分けて、それぞれが一つずつヒントを出し合います。最初のヒントで当てられれば3点、2回目で当てられれば2点、という具合にポイントを与えると盛り上がります。ゲームを始める前に、3つのヒントを難易度の高い順に並べ、最初のヒントが最も難しくなるように指示すると良いでしょう。
ポイントを獲得するために生徒はヒントを注意深く聞き、素早く情報を整理して答えようとします。ゲーム形式にすることによって生徒の意欲を高めることが可能です。
EXTRA TASK
Whose is this?
Instructions:
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教師は、生徒からいくつかのアイテムを集めて、袋に入れます。
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教師はクラスを歩き回りながら、一人の生徒に袋から物を見ないで取り出すように指示します。
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生徒はその物を持ち上げて「Whose is this?」と言います。
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一ラウンド目は、所有者の生徒は「It’s mine」と言います。
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二ラウンド目には、所有者は何も言いません。他の生徒が「It’s Kana’s」「It’s Kenta’s」などと答えます。その後、先生が「Is this yours, Kana?」など質問することによって、様々な形の質問や応答の練習ができます。
EXTRA TASK
Whose class are you in for science?
次の2ページには、生徒AとB用の2枚のタスクカードがあります。カードには、ある学校の午前中の時間割が描かれており、様々な時間帯に教科が配置され、その下に教科担当の名前(「Mr. Sato」「Mrs. Maeda」など)が書かれています。
Instructions:
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クラスをペアにします。
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各ペアに生徒A・Bのタスクカードを渡します。
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配られたカードを見て、自分の時間割と担当教員を確認します。
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お互いに質問しながら相手の授業の担当教員が誰かを埋めていきます。
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まず生徒Aが「Whose class are you in for [subject]?」と質問し、生徒Bは「I’m in Mr./Mrs./Ms. Y’s class (for [subject])」と答えます。
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生徒Aは答えを聞き、担当教員の名前を記入します。
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同様に生徒Bが質問をし、担当教員の名前を記入します。
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順番に質問し合いながら担当教員の欄を埋めていきます。
注:同じ科目でも違う担当教員の場合もあります。
‘Let’s Talk 1’ on page 74
ステップ1は、ステップ2の会話が見えてしまうと、答えが2行目に書かれていることに気付くため、効果的な活動になりません。そのため、ステップ2と3をノートで隠して、ステップ1だけを見ながら活動するとよいでしょう。戸田先生の質問に対して、メグが何を言うかを考えます。戸田先生が「Meg, how are you today?」と聞いたら、彼女は何と答えるでしょうか?ある生徒に答えさせることもできますし、1分間パートナーと相談させてからクラス全体でアイデアを出すこともできます。できる限り多くのアイデアを出させます。例えば生徒たちは単語のみのアイデア(「Bad」「Not good」「Not very good」など)を出してくるかもしれません。それらを肯定的に評価し、さらに「I feel bad」や「I don’t feel good」など付け加えるといいでしょう。ステップ1は、2〜3分で終了します。これは、次のステップのためのウォームアップです。
ステップ2の対話文について見ていきます。生徒たちは、状況を想像しながら、ペアで対話練習をするように指示されています。このような練習は、ステップ3で必要となる会話の見本となり語彙を身につけることができる点で役立ちます。しかし「Let's Talk 1」でも述べたように、書かれたダイアログは効果的な教材とは言えません。その主な理由は以下の通りです。
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生徒はダイアログを読んでいるだけで、本当の意味でのコミュニケーションになっていない。
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生徒は何を言うべきか自分で考えていない。すべてが用意されている。
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台本が用意されているので、生徒は文脈を考えることなく、ロボットのように不自然なセリフを読み上げてしまう傾向がある。
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相手の話を聞く必要がなく自分の伝えようとする情報もない。(コミュニカティブニーズがない)
(50年前、Savignon(1971)は、ダイアログを暗唱することはコミュニケーション能力の一部ではないと指摘している)。
もちろん、ダイアログ(会話文)には役割があります。学習項目となる文法や語彙も出てきますし、文脈もあり会話の模範例でもあります。しかし、ダイアログを読み上げることがコミュニケーションの練習になるわけではありません。生徒がお互いに意思疎通できるようになるためには、言葉をページから離し、教材を調整する必要があります。次ページでは、より有意義な方法で練習できるようにするための、いくつかの簡単なステップを紹介します。